進行中の研究プロトコール

プロトコール1:血液ガスデータを中心とした研究プロトコール


■蘇生後のhyperoxia(過剰な酸素化)が神経学的転帰に影響を及ぼすかどうかにつき解析を行います。その他に、病院到着後の除細動実施時刻と回数、気管挿管実施時刻、アドレナリン総投与量、生化学データ、治療目的体温管理の合併症、90日CPC(小児ではPCPC)等を含みます。

 

■ご存じのとおり、2010年のJAMAに報告された蘇生後の患者6326例を対象にした報告で、蘇生後の高酸素濃度(300mmHg以上)の群の生存率が60mmHg未満の低酸素群および60mmHg-300mmHgの群に比べて悪かったという報告を踏まえて、最近では蘇生後の高酸素濃度は控えるべきである、とされています。しかし、本プロトコルでは、現場の臨床家が抱いているように、ワンポイントだけの高酸素濃度そのものが蘇生科学において生存率に悪影響を及ぼすのではなく、病院到着からその後急性期の血液ガスデータの推移などの動態が何らかの影響を与えているのではないか、というリサーチクエスチョンに少しでも迫れるような臨床データを、本邦から発信したいと考えています。そこで本プロトコールにおいては蘇生後からの高酸素濃度の程度および高酸素濃度に暴露された時間と生存率およびさらには脳機能予後との関係をより詳細に解析することを目的としております。是非ご協力いただければと考えます。

 

【参加施設の要件】
対象症例(救急隊員により施設に搬送された全院外心停止例)をすべて登録すること。
(※症例数は規定しない)

 

【データ収集期間】
1年(症例の集積状況で延長の可能性あり)

 

【オーサーシップ】
Authorとなる権利を有する者:大阪CRITICAL参加施設全員。
(追加参加施設についても、大阪CRITICAL参加施設と同等の権利を有する)
※ただし、投稿先論文の方針、ルールにもよるので、必ずAuthorとして掲載できるかは保証できない。
Authorとして掲載できなかった場合は、Contributor/collaboratorとして記載。
最低でもAcknowledgeに記載を予定。

構想、データ提供、解析、執筆、レビュー等、貢献度全体でプロトコールオーナー
(大阪府立急性期総合医療センター木口医師)及びCRITICAL代表(京都大学石見医師)が最終的に判断

 

【プロトコールに関わるデータの解析について】
主目的の研究については、木口医師がファーストオーサーとして解析を行う。
プロトコール内の項目を用いた2つ目以降の解析提案については、CRITICAL委員、データ提供者は等しく権利を有する。